2009年9月2日水曜日

越後妻有トリエンナーレ大地の芸術祭 Echigo-Tsumari Art Triennal

新潟でアートトリエンナーレが行われていることは知っていたけれども実際に行ってみたのは今回が初めて。

なんとも壮大な企画で驚きの連続だった。アルルは一つの街でのフォトフェスティバルでとりあえずほとんどの展示は歩いてまわれる。それでも全部見てまわるのは大変だが。

大地の芸術祭はなんと東京23区よりも広いエリアに370点あまりのアート作品を点在させている。これを全部まわるのはクルマと徒歩でまわって1週間以上かかるのではないだろうか。

美術館で展示されるアートとは全く違うおもしろさがある。ちょうど稲が黄金色に変わっていくはじめの頃で、そんな水田の風景をながめているとなんとなく変わったかかしがあるなぁ、と思うとそれもアート作品だったりする。せまい山道を登っていくと突然地面から脚の彫刻がにょきっと生えていたり、よくこんな所までもってこれたなぁ、という驚きもあわせて楽しめる。

ジェームズ・タレルの光の家は体験型のアートで越後の伝統的な家屋に仕掛けがしてあって屋根が開いて空が見えるようになっていたり、温泉のお風呂にファイバーが仕掛けてあって温泉にはいると身体が光ったりすると言う。残念ながら天気が悪くて想像してみるだけだったが、一年のうちの6割は予約で埋まっているそうだ。

ここでは、美術館に展示されるスタティックなアートではなく、自然と、地元の人たちや農業と、そしてその地にある神話体験が微妙にシンクロして見に行った人の心に入り込んでくる。日本のような自然と人が四季を通じてうまく溶け合っている風土があってこそ成り立っている。
2泊3日の駆け足で回ったので、ちょろっとした体験だったが、本当にこれはすごい企画だ。おそらく21世紀の重要なアートフェスになって行くに違いない。

東京に帰ったらテレビでも取り上げられていて、なんと14万人の入場者があったそうだ。去年のアルルで6万人だそうだから、これはすごい数。

行武治美の再構築という作品。丸い鏡に家の中も外も覆われていて風が吹くと鏡が微妙に揺れて不思議な感覚を味わえる。
ケース・オーエンスの作品。水田のそばの神社の端っこにある
関口恒男の作品。水の中に仕掛けた鏡によって竹と木で造られたシェルターの天井に虹が映る仕掛け。残念ながら天気が悪くて虹が出るところは見ることができなかった。音もしかけて観客が踊れるようになっているそうだ。
子供の頃にこういう池と小さな島があるような風景は好きだった。何か不思議な生物が住んでいるような気になる。
まつだい雪国農耕文化センターの中のレストラン。これ自体も作品。
廃校を利用した福武ハウスの中のギャラリー小柳の展示。ヘレン・ファン・ミーネという作家の少女達のポートレート。

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