2010年7月1日木曜日

40回目だったアルル その4

せっかく大枚はたいてアルルに行くからには展示やスライドショーを見たり、フォトフォリオレビューに参加するだけではなく、主催者から運営のノウハウなどをぜひとも聞いてみたいと思っていた。

事前にメールを出して取材の申し込みをすると、なんと総合ディレクターのフランソワ・エベル氏から直接お話を聞けることになった。

イベントのような事を少しでもやったことのある人ならすぐわかることだが、イベントの主催者はイベント最中は超過密なスケジュールを過ごすことになる。突発的なアクシデントにも対応しなければならないし、イベントをスケジュール通りに進行させるだけでも大変な労力になるのだ。

それが、海外のそれもエスタブリッシュでもなんでもない個人からの取材に答えてくれるとはなんという心の広さとホスピタリティ精神なのだろう。
深く深く敬意を表したい。

フランソワ・エベル氏はアルルのセンターのフォーラムという広場の正面に位置するNord Pinusというホテルに投宿されていた。ここのテラスで9時から1時間お話ししましょうという約束だった。

氏はアルルの総予算から運営方針などに至るまで事細かに答えてくれた。アルルの総予算は昨年で5億4千万円。そのうちの40%が国と市と県からの援助。スポンサーからの援助が25%、チケット代などの売り上げが35%ということだ。それでも20~25%の費用がたりない、という。スタッフは通年のスタッフが12名でその他は外注とボランティア。5人のキュレーターにキュレーションを任せるという。入場者は6万人。

ナン・ゴールディンは一度アルルでやったことがある写真家でフランソワさんがナンの家をたずねたりして交流しているうちに決まってきたのだそうだ。
ともかくもこの世界最大の写真のお祭りを実行するのにとても時間をかけて丁寧に作り上げていることが伝わってきた。

ポートフォリオレビューはもともとはアルルから始まったもので最初はいろんなホテルのロビーでレビュアーが見ていたのだそう。アルルのフォトフォリオレビューは学生でも参加できるように参加費を低めにおさえているのだそうだ。

パリフォトとの違いは、と質問すると、パリフォトはあくまでギャラリーなどマーケットのコマーシャル。アルルは作家のためにやるもの、写真の歴史を紹介するのが目的なのだ、といいきっていた。



Nord Pinusホテルのバー。ピーター・ビアードの写真が飾ってある。こんなバーで飲んでいたら最高の気分になること間違いなしだ。
ロビーにはピーター・リンドバークの特大の写真が飾ってある。かっこいい、の一言。

おおお、ヘルムート・ニュートンのシャーロット・ランプリングが。いい。

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